hakuam120のブログ

日々のこととか、体験談とか。書こうと思った時に書いてます。不安障害、双極性障害II型。

休経ての卒

6年在籍した大学をようやく卒業した。

2年次に上がって2ヶ月ほど経った頃、自分が学びたくて選んだはずの専門分野の勉強に躓いたことをきっかけに大学に行けなくなってしまった。自分以外の同級生はみんな学んだ内容をしっかり理解していて、完璧にできているのに自分は何も理解できていない、そんな風に思うようになってしまい、つらかった。1年のときに仲良くしていた子たちはみんな違う分野になってしまい、なかなか会えなくなった。やがて、大学のことを考えるだけで具合が悪くなり、学部棟に入ることすらできなくなってしまった。先生からは休学を勧められた。そして、自分以外の人がみんな完璧にできている、自分は完璧にできなければならないと考えてはならない、「頑張らないことを頑張って」と言われた。

その年の後期から休学した。休学期間中はやりたいことをやって心がいろいろなことを楽しめるようにすることを一つの目的としていた。ひたすらにバイトして、今まで一人では怖いからと避けてきたライブに行くようになった。生でパフォーマンスを鑑賞することの素晴らしさを知った。年齢も性別も住んでいるところも様々な、おそらく普通に大学生活を送っていたら出会わなかったであろう人たちと出会った。何度も一人で交通手段や宿の予約を取り、一人でバスや電車に乗って会場まで向かった。これはわたしにとって「なんか強くなったな」と思える出来事だった。経験値を稼いだ気がしていた。

半年の休学を終えてからも、順調とはいえない学生生活だった。少しでも周りと同じようにしなければという気持ちが消えずに無理をして、また大学に行けなくなって、2度目の休学をした。自分のペースを掴みかけてそこそこ順調だと思っていたところに扁桃炎を繰り返すようになり、手術を受けることになった。まさか大学生活で初めて全身麻酔を経験することになるとは思っていなかった。

そんなことがありながらも、少しずつ自分のできる範囲を覚えていった。精神科に通うようになり、話を聞いてもらいつつ、お薬を出してもらって不安やパニックに陥ったときの対処を会得していった。自分のやれる範囲で、地道に少しずつ授業を取り、単位を取得し、ゼミの先生の手厚いサポートのお陰でプレ卒論、卒論を無事に書き上げた。そうして今年3月、無事に卒業判定を頂いた。

6年間は長かった。周りが卒業して、就職内定をもらって、次のステップに進んでいく中、自分のペースを貫くことに焦りを感じることもあった。むしろ、焦りを感じてばかりだった。でも焦ったって自分のキャパはたかが知れているわけで、周りに合わせてもパンクしてまた動けなくなってしまうだけだとだんだんわかってきた。自分のことを知り、やること、やれることにとにかく集中して、ひたすらに、がむしゃらに、なんとか走り抜けてきた。そんな大学生活だった。

袴を着るつもりはなかった。しかし、「袴を着ることなんて大学の卒業式を逃したらこの先ないよ」という家族の言葉を受け、袴を着ることにした。ハレの日の装いは身も心もしゃっきりとしたし、なによりも家族にその姿を見せられたのが本当によかったと思っている。

家族、友人、大学の先生、精神科の先生、いろんな人に支えられながら、ようやく辿り着いた「卒業」。決して順風満帆とは言えない、後悔がないとも言い切れない、けれども自分がひたむきに生きてきた6年間を、一生の糧としてこれからも進んでゆきたい。